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研修★事例から学ぶ事故対応

2019.7.13 - []

7月10日(水)、11日(木)「事例から学ぶ事故対応」というテーマで全職員を対象とした研修が開催されました。講師は職員総合教育研修室の柳田一男室長です。
今回は実際に他施設で起きた事故事例をもとに、利用者の状況や事故の内容、原因、再発防止策等について学びました。以下の事例を見てみましょう。

 <事例>
●利用者の状況
Aさん 88歳 女性 要介護2
両変形性股関節症、両変形性膝関節症あり。不安定ではあるが、シルバーカーで歩行可能。歩行移乗時には見守り・一部介助実施。

●事故の内容
夜間、自室でポータブルトイレ使用中のAさんの排泄介助中に、他の入所者からナースコールで呼ばれ、介助者が少しの時間その場を離れた。その間にポータブルトイレ使用中のAさんが転倒した。

●事故の原因
Aさんは夜間、股関節痛と膝関節痛があったが、遠慮してナースコールを押さなかった。
・ナースコールが重なり、優先順位が把握できていなかった。
・ベッド柵が通常の平行柵であり、移乗しやすいL字バーに変更されていなかった。

●再発防止策
・転倒リスクが少なく、かつ入所者本人がナースコールを押しやすい環境を整える。
・対応方法を職員間で統一するため、写真付きの対応マニュアルを作成、配布する。
・ナースコールが重なった時は、リスクの優先順位を考慮し、他の職員を内線で呼ぶ等のシミュレーションを実施する。

まず、高齢者が生活する場において、事故はいつでもどこでも起こり得るということを認識しなければなりません。
利用者一人ひとりについて個別に身体機能、行動範囲、生活特性を考慮のうえ、起こり得るリスクを想定し、事故を未然に防ぐための予防措置をとります。
万が一事故が起きてしまった時には利用者とその家族に対して迅速・適切な対応をとり、その後ケア手順の見直しや具体的な再発防止策を立て、職員間で周知・徹底することが重要です。
また、事故防止対策の基盤づくりのためにも、職員が介護技術向上のための研修へ積極的に参加し、学んだ知識・技術を現場にフィードバックし、安全で正確なケアを職員全員が統一して習得できるようにしていくことも必要だと感じました。

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